「妊娠中の栄養素について その1」
葉酸以外に摂るべき栄養素は?
妊婦にとって必要な栄養素は葉酸だけではありません。お腹の赤ちゃんが賢くなるDHA、赤血球を造るのに必要な鉄、赤ちゃんの細胞分裂を活発にする亜鉛などが必要とされています。
いずれも食べ物だけで必要な量を摂取するのは難しいので、効果的に取るためにはサプリが役に立ちます。DHAは、魚に大量に含まれている栄養素なのですが、魚を大量に摂取することは体内に蓄積されている水銀も摂取することにつながってしまいます。
水銀が人間の体に必ずしも良くないことは周知ですし、妊婦にとっては気になるところ。でも、サプリなら水銀のことを気にしなくてすみますので、安心して摂取することができるのです。
また、鉄と亜鉛の場合は自然に摂取する場合、食べ物が大量に必要になってくるという問題点があります。
鉄(特にほうれん草などの植物に含まれる非ヘム鉄)は体に吸収されにくいという問題がありますし、亜鉛も必要量を摂取するなら鶏肉だと1日500グラムという多めの量が必要で、つわりに悩む妊婦にとっては厳しいところ。
こういう場合もサプリを利用することで、必要以上の食事を取らなくてもよくなります。
大事な体なのですから、無理して食べるのではなく、無理がないように工夫しましょう。
妊娠中の食事はバランスが大事?
妊娠中に必要な栄養素は、上記以外にもいっぱいあります。
カルシウムとリンは赤ちゃんの骨になりますし、骨を丈夫にするにはビタミンDが必要です。タンパク質は赤ちゃんの血や肉になります。ほかにもビタミンA、ビタミンC…挙げていけばきりがありません。
これだけの栄養素を摂取しようとするならば、偏った食事をしていては無理です。
妊婦にバランスのよい食事が求められるのは、赤ちゃんのために多種多様な栄養素が必要だからです。
もちろん食べ物だけでは足りない栄養素も出てくるでしょうから、そこはサプリで補うようにすればいいでしょう。
しかし、基本的にひとつの製品からはひとつの栄養素しか摂取できませんので、妊婦に必要なたくさんの栄養素をすべてサプリで摂取するのは無理があります。たくさんの製品が必要になってしまうためです。
多くの栄養素を偏りなく摂取するためには、結局のところ栄養に気を配ったバランスの良い食事を摂取し続ける以外の方法はありません。
つわりなどで難しいときもあるでしょうが、妊婦は可能な限り好き嫌いしないでバランスの良い食事を取り、それでも摂取が難しい栄養素があると判断したときに、サプリの助けを借りるというぐらいの気持ちでいいのではないでしょうか。
妊婦の正しいサプリメントの摂取方法は?
気を付けてほしいのは、サプリの摂取によって胎児のリスクを低減できると断言できるものは葉酸だけだということです。他のサプリはノーリスクというわけではないのを留意しておく必要があります。
医薬品と違って、似たような名前の製品でも成分が一定していませんので、乱用すると成分同士が影響して体を悪くしてしまう可能性すらあるのです。
それに、いくら体に必要な栄養素だからといって、過剰に摂取すれば逆に体を壊してしまいます。
特にサプリで摂取する場合は飲みやすいだけに、結果として過剰摂取に陥る可能性が高いことは理解しておくべきなのです。妊婦は安易にサプリに頼らないこと、これが実際のところです。自己判断で摂取するのではなく、医師の判断を仰いで利用するのが理想的です。
食事面のバランスを整えるのを最優先とすべきで、あくまでも補助手段にすぎないということを理解しておくべきでしょう。
上にも書きましたが、まずは食事のバランスを整えることが最優先です。
便利なものがあるからといって偏食していては、育つ赤ちゃんも育ってくれません。ヘタをすれば先天性の疾患を抱えることにもつながってしまいます。
妊婦の体は自分だけのものじゃない、赤ちゃんのものでもあるのです。
このことをしっかりと胸に刻み込んでおいてください。