「不妊症チェック方法(男性)」
早期発見のチェック方法
男性が不妊症になる原因には、自覚できる症状のあるものと無いものに分けられます。自覚できるものの代表が勃起不全(ED)や射精障害です。これらはわかりやすいので早く治療を受けられ、効果も期待できます。
しかし男性の不妊症は症状が自覚できないものが8割以上だという報告があります。
それは、無精子症、乏精子症、精索静脈瘤などです。この場合性交も射精も全く普通に行えるので早期発見がとても難しくなってしまいます。
不妊症の原因となっているのは女性が6割、男性が4割などと言われるようにほとんど男女間で差はありません。
しかも男性の不妊症は発見しにくいとあれば、一番いいのは初めての不妊症の受診をカップルで受けることです。これにより時間と費用を大幅に節約することもできます。
実現するためには男性が受診しやすい雰囲気を作ることが重要になってきます。女性だけでもそうなのですが、産科が併設されている医療機関は妊婦さんがたくさんいるので通いづらいかもしれません。
不妊外来専門のクリニックなら二人で受診するカップルも多いのでおすすめです。また、不妊症の治療に詳しい泌尿器科も多いので男性が検査を受ける心構えができていればそちらを受診するのもおすすめです。
どんな人がなりやすいの?
不妊症になりやすい男性には幾つかのポイントがあります。よく知られているものに、おたふく風邪があります。成人してからのおたふく風邪は3割の人が精巣炎、睾丸炎を併発します。
ウイルスや高熱によって完全に無精子症になることは稀ですが、リスクはあるので要注意です。
糖尿病も勃起不全(ED)や射精障害の原因となります。
これらは自覚症状もあるので検査を受けるきっかけになります。子どもの頃に受けたヘルニアや停留睾丸の手術が精管を閉じてしまっている場合もあります。
痛みなどの症状は無いものの精索静脈瘤を患っている場合もあります。かなり高い確率で見られる疾患で睾丸の温度を上げてしまうので不妊症の原因になります。
常にきつめのジーンズを履いていたり、自転車に乗る機会が多い人も注意が必要です。
睾丸はゆったりした状態にしておくと正常に機能しやすく、外的な刺激は造精機能を弱めます。
心理的なストレスが睾丸へもストレスをかけるので、毎日の睡眠で疲れが十分に取りきれない人も不妊症になりやすいと言えます。
性感染症の既往歴も重要なチェック項目です。ただ、ナイーブな側面を持ちますので本人が自覚する程度におさめ積極的に不妊症の検査を受けるきっかけになれば良いでしょう。
予防・対策
普通に性生活を送って2年程も妊娠に至らない場合は、何らかの原因で不妊症になっていると言えるので受診が勧められます。しかし男性の不妊症は症状が無いだけに受診を拒んだりで発見が遅れる場合があります。
不妊症になりやすい男性には症状はなくても幾つかの傾向がありますので不妊症を予防する目安にするもの良いでしょう。
まず、喫煙習慣です。たばこは精子の数や運動量を減らします。禁煙外来に通えば約12週間で治療できるので是非禁煙しましょう。
次に、肥満です。健康な精子を作るためのホルモンバランスを崩す原因となるだけでなく、体温を上げます。女性と違い男性は精子を作るために特に精巣辺りを冷やしておく必要があるのです。
また、外食が多かったり整髪料をたくさん使っていると化学物質、いわゆる環境ホルモンをたくさん体に取り入れてしまうので不妊症になりやすくなります。過度のストレス、疲労、アルコール摂取も要注意です。
これらの傾向を持つ男性が全て不妊症になるわけではありませんが、確率は上がりますので身の回りから始められる対策としては効果が期待できます。不妊症だけでなく生活習慣の改善は体に良く、将来赤ちゃんを迎えた時にも元気なお父さんでいられます。2人で一緒に改善に取り組むのもおすすめです。