「不妊治療を続けると障害児が産まれやすい?」
障害を持って生まれる割合
出生した子供約1万人に対して6人くらいの新生児が神経管閉鎖障害をもっているといわれています。
神経管閉鎖障害は脳や脊髄のもとになる神経管の先天性の異常のことで、神経管が作られる妊娠第4週から5週頃に胎児におこる神経管欠損症などの疾患といえます。
その発症には遺伝子などの様々な要因が関係していると考えられていますが、葉酸を一定量摂取すると発症リスクの低減にある程度の効果があることいわれています。
そのため、厚生労働省は妊娠を計画中の女性や妊娠中の女性に、神経管閉鎖障害のリスクの低減を図るために食品に加えてサプリなどから1日0.4mgの葉酸を摂取することを推奨しています。
母親の年齢が高い場合、発生する子どもの染色体異常の障害ではダウン症といわれる病気が一般的に多い傾向があると考えられ、男性が高齢の場合には、自閉症や統合失調症などの確率が高まるということが分かっています。
高齢での出産と不妊治療数は社会の変化による晩婚化に伴って増え続けており、障害をもって生まれる子供の確率もそれに伴って上昇傾向があるといわれています。
不妊により高齢出産を行うと、子どもが障害をもって生まれてくる確率が高くなると一般的に言われます。
原因は?
染色体異常は、染色体の数や構造に先天的な異常があるため、子どもに様々な症状が示される病気です。
ヒトは通常、半数性の染色体23本を2セットもっています。
しかし、3倍体といわれ、半数性の染色体23本を3セット以上もつ染色体異常や、4倍体と呼ばれ染色体23本を4セットもつ異常などもあります。
このような場合、出生に至るケースはごく限られていますが、母親が40歳を超えて出産するケースでは、数十分の一の確率でダウン症の子が生まれることが報告されています。
晩婚化の影響で、そのような高齢出産と不妊治療が近年増加する傾向が見られ、ダウン症などの染色体異常をもつ子どもの出産の確率も高くなってきています。
しかし、ダウン症児の誕生は高齢でなくとも、若いカップルでも見られます。
男性の年齢が高い場合には精子の運動能力などが低下し、不妊の原因にもなるといわれています。
また、子どもが自閉症や統合失調症などななる確率も向上するといったことが分かっています。
20代の男性と30代の男性での染色体異常の発生率の割合は約2倍といわれ、70代の男性の場合には8倍といわれています。
このように、精子や卵子が老化すると染色体異常の確率が高まると考えられています。
対策はあるの?
高齢での出産がただちに不妊や子どもの障害に結びつくというわけではありません。
しかし、精子や卵子の質の劣化は、不妊や染色体異常のリスクを高めるといわれています。
とはいえ、生まれた子どもが障害をもっている可能性は高齢での妊娠であっても若い年齢での妊娠であっても、0にすることはできません。
厚生労働省は妊娠を計画中の女性や妊娠中の女性に対し、神経管閉鎖障害のリスクの低減を図るため、食品に加え、サプリなどから1日0.4mgの葉酸摂取を推奨しています。
神経管閉鎖障害は、神経管欠損症などの脳や脊髄のもとになる神経管の先天性異常のことで、神経管が形成される妊娠初期に胎児発生する疾患です。
出生した子ども約1万人に対して約6人の割合で新生児が神経管閉鎖障害をもっているといわれています。
その発症には遺伝子などの様々な要因が関係すると考えられていますが、葉酸を一定量摂取すると、発症リスクの低減にある程度の効果があるといわれています。
高齢での出産を行う場合には、妊活中にできることとして葉酸の摂取がおすすめです。
例えば、葉酸のサプリを継続的に摂取している男性の精子は、染色体の異常が出にくいといった研究結果も報告されており、亜鉛などの必要とされる栄養素と同様に摂取するといいといえます。
しかし、家族計画をしっかりと立て、子どもを産む場合には計画的に早めに行動することも大切といえます。