「不妊カウンセラー」
不妊カウンセラーとは?
不妊カウンセラーは、日本不妊カウンセリング学会という特定非営利活動法人が認定を行った有資格者です。不妊カウンセラーは、専門知識やスキルがあるのはもちろん、学会の学術集会に参加したり、養成講座などに参加したりして、学会が定める到達目標をクリアした人に与えられる資格です。
不妊カウンセラーのカウンセリングを受けるには、なにも不妊治療を受けたいひとばかりではなく、受けるかどうか迷っているひとでも可能です。
ですから、そもそも不妊治療を受けるべきなのか、受けるとしたらどんな治療が最適なのかなど、基本的なところから夫婦の決断をサポートしてくれるのが不妊カウンセラーの役目といえます。
不妊治療にかんしては、さまざまな情報があり、夫婦ふたりだけでは専門的な治療方法について理解ができない場合も多いです。不妊カウンセラーとともに不妊治療を選択していけば、複雑な情報もわかりやすく説明してもらえ、何が必要かや、この先のプランなども見通しが立てやすくなります。
不妊カウンセラーが行うカウンセリングは医療行為ではありません。ですから、カウンセリングにかかる費用も、どんなスタイルでカウンセリングをおこなうのかも、さまざまな種類があります。
不妊カウンセラーに通う男女の割合
不妊カウンセラーとして活動をしているカウンセラーのホームページやブログを見てみると、女性目線で、女性に向けて書かれているものが多く目につきます。しかしもちろん、不妊は女性特有のものではありません。
事実として、不妊の原因のうち、約2割強は男性に原因があるともいわれ、男性不妊の認知度も上がってきています。ちなみに、女性に原因がある不妊の割合は4割程度で、男女ともに原因がある場合は2割強です。
ですから、女性だけが原因がある不妊ばかりではなく、ふたりで考えなくてはならないのが不妊の問題だといえます。まだまだ、男性専門の不妊治療施設もすくないのであまり知られていませんが、実は、多くの男性が、婦人科で不妊治療を受けているという現状があります。
実に、日本では約54万人の男性が不妊の原因を持っているとされていますが、日本では、やっと男性不妊も知られてきたという段階かもしれません。
ですが少しずつ認知も上がり、不妊カウンセラーに通うのも、たとえ女性の側だけに原因がある場合でも、ふたりでカウンセラーのもとに通うというようなカップルも増えてきていますし、もちろん男性のカウンセリングを受けるひとも増えてきています。
不妊のお悩みがあれば、男女問わず、不妊カウンセラーにお世話になることができます。
不妊カウンセラーに通うと1回の費用はどれくらい?
不妊カウンセラーは、日本不妊カウンセリング学会から認定を受けている以外は、カウンセリング料や、カウンセリングをおこなっている場所などはさまざまなので、一概に費用はいくらだということは難しいです。
不妊カウンセラーの資格をもっているひとも、不妊治療をおこなっている医師である場合もありますし、看護師、またはエンブリオロジストなどの場合もあります。
また、心理学が専門の臨床心理士が不妊カウンセラーの資格を持っていることもあります。
一般的に、不妊治療をおこなっているクリニックで不妊カウンセリングを受けるときには、無料で行われているところも多くあります。
だいたい、1回に付き1時間程度の時間をとって不妊カウンセラーの資格をもったカウンセラーが話をきいてくれます。予約制なので、事前に電話やホームページから予約をとっておくと良いでしょう。
料金がかかる場合には、初回は無料で2回以降は1回に付き1000円程度の費用がかかったり、50分ごとに500円程度の費用がかかる病院のカウンセリングもあります。
また、不妊カウンセラーとして個人で活動しているカウンセラーもいます。この場合には、クリニックで受けるカウンセリングよりも少し高めの費用の場合もあります。
不妊カウンセラーの現状
晩婚化などもあり、不妊になやむカップルは増えてきています。そんななかで、医療情報だけではなく、こころのケアも必要とされていて、正しく正確な不妊治療の情報を提供するだけではなく、心理的なサポートをおこなうという役割も不妊カウンセラーに課せられた大きな役目だといえます。
不妊治療に力をいれているクリニックも多くなり、そういったクリニックのなかには、不妊カウンセラーが常駐していることもめずらしくありません。
不妊カウンセラーのカウンセリングの方法も、対面式の相談はもちろんですが、電話やメールなどでできる、対面法式以外の相談方法もあります。なかなか時間がとれないひとは、こういったカウンセリングのほうが気軽に受けられるかもしれません。
ほかにも、たとえば鍼灸院にも不妊改善のための治療を積極的におこなっていて、不妊カウンセラーがいるような場合もあります。
不妊カウンセラーは、一定の知識をもち、日本不妊カウンセリング学会から認定されているという共通項以外は、それぞれさまざまなバックグラウンドをもったカウンセラーなので、どんな専門知識に強いカウンセラーなのかも、カウンセリングを受けるときに選択できるようになってきています。