「子宮頸管ポリープについて」
原因
子宮頸管ポリープとは、子宮と膣を結ぶ管のような部分にできる良性のポリープです。経過観察も可能ですが、自然治癒はしませんから切除してしまった方が簡単です。
粘膜の表層部分が異常に増殖してできる腫瘍です。大きさはほんの数ミリから大きくても1cmくらいまでです。
壁から生えた小さなキノコのような形をしています。多発することは稀で一つだけ単独でできることがほとんどです。
子宮頸管ポリープを特徴づけるような症状は無く、ポリープが刺激されてはじけた時に不正出血があったり、おりものに血液が混じったりする程度です。
症状が軽いので大抵は見逃してしまウことが多いでしょう。良性のポリープですから不妊症の原因になることはまずありません。
ただ、性交時にも少量ですが出血したりしますので心情的に性生活を持ちにくくなることは考えられます。
また、稀なケースですが子宮頸管ポリープが肥大化しますと精子の通りが悪くなり不妊症となることもありますので見つかり次第切除してしまうのが得策と言えます。
子宮頸管ポリープができる原因ははっきり解明されているわけではないのですが、細菌感染や体調不良が関係していると言われていて経産婦に多いのも特徴です。
治療方法
定期検診や不妊症の外来などで発見される子宮頸管ポリープは極めて良性でしかもとても小さいので摘出するのはとても簡単です。
内診台で膣鏡で確認しながら器具でポリープを根元から掻き取るのです。摘出されたポリープは念のため病理検査を行います。
稀に子宮体がんなどがポリープのように見せかけている場合もあるからです。外来で発見され次第処置されることも多く、処置自体に痛みは無く処置後も傷口から少量の出血がある程度で、それもすぐにおさまります。
良性とはいえ不安な気持ちでポリープの不快な症状と付き合うよりも切除してしまった方がすっきりしますし、不正出血などの症状が無くなるため他の病気を早期発見できるメリットもあります。
不妊症の原因となることはほとんどありませんが、妊娠後に発見された場合は安定期に入ってから処置されることが多く、それは一部の子宮頸管ポリープが妊娠に良くない感染症の原因になり得るからです。
症状のあまりない子宮頸管ポリープは再発する確率がとても高いのが特徴です。切除の時に根元の部分が残っているとそこから再発生するので、定期的に受診することが勧められます。また切除時に傷口を焼き切るなど再発防止の処置をする医療機関もあります。
防ぐための対策・早期発見のチェック方法
子宮頸管ポリープを防ぐためにできることはほとんどありません。原因も特定されていませんから、全ての病気を防ぐ基本的な心構え、つまり規則正しい生活を送り体の清潔を保ち栄養バランスの良い食事をとることに気をつけることです。
防ぐことはできませんが早期発見することは可能です。
生理時以外の不正出血や性交時の痛みなどの症状、色や量などがいつもと違うおりものに気が付いたら婦人科で診察してもらいましょう。
また、子宮がんや子宮頸がんの定期検診には内診があるので、そういった定期検診を積極的に受診すると早めに発見してもらえます。一度ポリープができると摘出しても再発することが多いので毎年検診を受けることも大切です。
不妊症外来で発見されることも多く見つかり次第処置してもらえます。子宮頸管ポリープの症状は軽いと言っても、不妊症の治療を始めると様々なストレスを抱えることになります。
ストレスはホルモンバランスに良くない影響を与えますので、ある意味ポリープの出来やすい環境であるとも言えます。
心配しすぎるのは良くありませんが、大切なのは自分の体のサイン、小さな症状を見逃さないことです。まめにチェックし早めに対処するようにしましょう。