「子宮奇形について」
原因
不妊症の原因となる、子宮奇形は、通常の子宮とは違う形のことを言い、種類は「分離重複子宮」「双角双頚子宮」「双角単頸子宮」「不全中隔子宮」「弓状子宮」「単角子宮」に分類されます。子宮の形によって分類されます。
胎児のときに、子宮の元となる左右のミュラー管が、一つに癒合して中隔が消退し、2つのミュラー管から成る、子宮が形成されます。
子宮奇形の原因は、ミュラー管の癒合不全や中隔の消退不全、あるいは片方のミュラー管の発育不全と言われていますが、子宮奇形の原因となる因子に、はっきりとした答えはありません。
子宮奇形は、胎児期に起こる先天的な症状です。母体となる、お母さんが強いストレスを感じたり、アルコールの摂取、喫煙、何らかの衝撃、原因となる物はいくつか考えられます。
ストレスは自覚症状がない場合もありますが、ストレスをできるだけ感じないように過ごすことが大切です。
将来的に、不妊症の原因となる、子宮奇形を患ってしまうと、赤ちゃんが欲しいと望んだときに、手術をする必要があります。
我が子が子宮奇形になるのを避けるためには、胎児をお腹に宿したら、心を穏やかに、ストレスを感じないように、喫煙やアルコールの摂取を控え、周りのサポートを受けながら出産に臨むことで、子宮奇形になる可能性は下げることができます。
治療方法
子宮奇形には、6種類の形があり、それぞれ異なった治療法があります。
分離重複子宮は、独立した子宮が2つあり、子宮口も2つあります。分離重複子宮は、手術する場合が少なく、状態の良い子宮で、体外受精、もしくは顕微授精をします。
治療法というより、妊娠する方法を変える方針が多いのが特徴です。双角双頸子宮は、2つの独立した子宮がありますが、子宮口は一つだけです。
双角双頸子宮は、自然妊娠することが可能です。しかし、症状によっては、不妊症や流産の可能性があるので、医師が必要と判断した場合は、手術を行い治療します。
双角単頸子宮は、子宮がハートのような形をしていて、子宮内向がくびれている奇形です。もっとも多い子宮奇形の形になり、自然妊娠する場合もありますが、流産の危険性があります。自然妊娠できない場合は、手術を行い、子宮形成を行います。
不全中隔子宮は、子宮の中が仕切られている状態の奇形です。自然妊娠することは可能ですが、早期流産や早産する可能性が高く、手術を行って治療します。開腹手術ではなく、子宮鏡下を使って手術します。弓状子宮は、子宮上部が、弓のようにくぼんだ形をしている奇形です。
不妊症や流産に繋がることもないので、特に理由がなければ、手術する必要はありません。単角子宮は、子宮が片側しかない状態の奇形です。手術で治療することは難しいと言われています。
ただし、副角で妊娠、細菌に感染した場合は、副角を切除する場合があります。子宮奇形は、症状や状態によって、治療方法や手術方法が異なります。治療しなくてもよい場合もあります。
防ぐための対策・早期発見のチェック方法
不妊症の原因となる子宮奇形は、自覚症状が少なく、内診や超音波検査でたまたま発見されるのがほとんどです。
先天的な疾患である子宮奇形に気づくことは難しいでしょう。自分がもしかしたら、子宮奇形かもしれないと疑い、調べることはできるので、機会があるときに調べるのも、ひとつの方法です。
機能的に問題がある子宮奇形は、思春期に訪れる、月経によって発見される場合もあります。
膣へと通じる道がないと、留血症を引き起こし、月経時に下腹痛の症状がでます。それも生理痛だと言われれば、納得する人がほとんどなので、思春期に、子宮奇形かどうか調べてもらうのも良いですね。
若いうちに、自分が子宮奇形だと理解できれば、将来に向けて、考え方に違いが出てきます。子宮奇形の種類によって、対処は違いますが、最善の道を家族と一緒に探すことが可能です。
我が子を子宮奇形にさせないためには、妊娠が発覚した時点から、心を穏やかに、ストレスをなるべく貯めない、お酒や喫煙は控えて、パートナーにも協力をしてもらいましょう。
子宮奇形になる、根本的な原因は判明していませんが、胎児に悪影響を及ぼす行為をしなければ、不妊症の原因となる、子宮奇形だけではなく、さまざまな先天的な疾患から、我が子を守ることができます。