「卵管障害について」
どんな病気?原因は?(年代別割合)
卵管は精子と卵子が受精後、成育しながら子宮内壁に着床するために通る場所で、卵巣と子宮をつなぐパイプの役割も担っている器官です。
卵管障害は卵管性不妊症で、卵管に何らかの障害が起きて卵管が働きづらくなり、卵子が通り抜けられなくなってしまうことで、妊娠できなくなる卵管性の不妊症です。
卵管が狭くなったり、塞がったりしてしまう原因として、感染による炎症や子宮内膜症、過去の手術による卵管癒着が挙げられます。卵管采は精神的ストレスの影響を受けやすいと考えられており、卵管障害にはストレスやホルモンなども関わっていると考えられています。
感染症による炎症で多いのは性感染症クラミジアです。クラミジアは男性に発生すると濃精子症の原因にもなり、女性側の不妊だけでなく、男性側の不妊の原因にもなります。
また、パートナーの男性から女性に感染し卵管に問題を引き起こします。これらの炎症や癒着によって、卵管が狭くなったり、塞がったりすると受精しにくくなり、不妊になります。
最近では感染が若年齢化し、性感染症は、他の年代に比べ10代後半から20代後半の若い世代に多くみられます。
それにともない、性感染症を原因とする卵管障害は若い世代に多く見られるようになりました。自覚症状がないため 治療に至っていない感染者はさらに多いといえます。
検査と治療方法
卵管障害の検査では、まず卵管の詰まり具合を調べるために子宮卵管造影検査が行われます。この検査では子宮腔から造影剤を注入することで卵管内における造影剤の通り具合を調べます。
この検査を行うと、卵管の通りが良くなることから、詰まりの程度が軽い場合であれば詰まりを改善させる効果があります。
検査結果から癒着や卵管閉塞がまだ確認される場合には、癒着の程度や原因などに応じてさらに治療が行われます。
癒着が軽度な場合は薬物療法を行います。子宮内膜症がある場合には、ホルモン剤で生理を止めて生理毎に内膜が増殖するのを抑えます。性感染症の場合は抗生物質で菌を抑えるための治療を行います。
癒着が酷い場合でも自然妊娠を希望する場合や高齢出産で妊娠できる期間に限りがあるなどといった場合には手術で治療する方法があります。
癒着がひどくて不妊治療が難しい場合や、先ほどの薬物治療や腹腔鏡手術や卵管鏡下卵管形成術を行っても不妊症状が改善されない場合には体外受精が行われます。
卵管障害にはストレスやホルモンなどが関わっていると考えられており、卵管采は精神的ストレスの影響を受けやすい場所といわれるため、できるだけストレスをためない生活を送ることが大切となります。
防ぐための対策・早期発見のチェック方法
卵管が狭くなったり、塞がったりして、卵管機能が低下し不妊につながる卵管障害の原因として、感染による炎症や子宮内膜症や過去の手術による癒着が挙げられます。
その中でも多いのが感染症による炎症です。最近では感染が若年齢化し、10代後半から20代後半の若い世代に多くなっています。性感染症は不妊症と大きな関係があります。
クラミジア感染症はSTDと呼ばれる病気の一種です。女性がクラミジアに感染した場合、ほとんど自覚症状がありませんので、クラミジア感染症にかかっていることに気づかない場合が多くあります。
クラミジア感染症は完全に完治しにくい病気です。例えクラミジアを抗生物質によって除去できたとしても、卵管を元に戻すのは難しく、子宮内膜症や卵管などの癒着につながります。
クラミジア感染症は性行為によって感染しますが、女性の場合、早期発見や早期治療が難しい病気といえます。
しかし、男性には自覚症状があり、尿道炎の症状が出たり、排尿痛や尿道の違和感などがありますので、男性に自覚症状が出た時には女性も即座に病院に行きましょう。
放置するととんでもないことになりますので、普段から性行為はパートナーを決めて行うことが重要です。卵管は精神的ストレスの影響を受けやすい場所といわれるため、性感染症などでストレスをためない生活を心がけることも大切です。